2015.06.12更新

夫婦が別居中の場合,相手方配偶者に対し,生活費(婚姻費用)の請求をできる場合があります。

 

夫婦にはお互いに扶養義務(生活の面倒を看る義務)があり,この扶養義務を根拠に相手方に対して生活費を請求することになります。

 

もっとも,生活費の請求も無限定ではありませんので,夫婦の収入に応じてその額が決まってきます。

実務では,家庭裁判所が作成した婚姻費用の算定表を用いて,その請求する金額を定めることが多いですが,

夫婦ごとに事情もさまざまですので,必ず算定表どおりに決まるというわけではなく,夫婦の事情に応じて修正がなされます。

 

婚姻費用の請求の方法としては,まずは任意の話し合い,話し合いで決まらない場合には調停,調停で決まらなかった場合には審判で決まります。

調停は,裁判所を利用した話し合い,審判は,家事事件における裁判手続で裁判所が当事者の意思とは無関係に証拠から婚姻費用を決定します。

 

調停や審判の結果,相手方が任意に支払ってくれればよいのですが,任意の支払いがない場合には,裁判所を利用して強制執行手続を行います。

例えば,給与の差し押さえなどをして相手方の意思を無視して強制的に生活費を回収することになります。

 

 

投稿者: 棚田 章弘

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