2016.11.02更新

賃料を滞納したときは,賃貸借契約が当然に解除されるものとします,というような契約(失権約款)が締結され,これが有効だとすれば,

大家にとっては有利であり,借主にとってはちょっとでも賃料の支払が遅れてしまえば,住む場所を失うことになるので,きわめて不利です。

このような条項が許されるかのでしょうか。

この点,過去の裁判例では,失権約款があっても,貸主と借主の信頼関係が賃貸借契約の当然の解除を相当とする程度まで

破壊されたといえばない場合には失権約款によるよる当然の解除は認められないとしたものがあります(最判昭51・12.17判寺848・65)。

したがって,失権約款があったとしても,当然に契約を解除できるわけでもなく,単に支払が遅延した程度では解除は難しいといえるでしょう。

 

投稿者: 棚田 章弘

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