2015.12.08更新

親の死亡後に親に借金があったことが判明した,という事例は多くあります。

どのような手続を選択するかはまさしく借金の額によることになります。

 

借金の額が遺産の額より少額の場合には,単純承認で問題ありません。

相続した財産から借金を返済して,残りを相続人で分けることになります。

 

一方,借金の額が遺産より多い場合には,通常,相続放棄の手続をとることになります。

原則的には相続があったことを知ったときから3か月以内に相続放棄の手続を裁判所に申述することになります。

もっとも,一部の財産を自分のものにした場合などは,単純承認をしたとみなされてしまいますので,

相続放棄の手続が終わるまで遺産には手を付けずにおきましょう。

 

借金の額が遺産の額を超えるかわからない,という場合には,限定承認という方法もあります。

これは相続により得た財産の範囲でしか負債を相続しない,というものです。

もっとも,限定承認の手続は相続放棄よりも複雑で面倒なものが多いです。

このため,相続開始から3か月以内の間にしっかりと調査をしておくことが重要です。

調査に時間が足りない場合には,家庭裁判所に対して期間の延長を請求することも検討することができます。

 

投稿者: 棚田 章弘

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