2016.02.23更新

前回の記事に記載しましたように,訴訟の相手方にお金がない場合には,

仮に,勝訴したとしても,何もお金が回収できなかった・・・ということにもなりかねません。

また,訴訟をしている間に,相手方がお金を隠してしまう・・・ということもよくあります。

お金のありかを隠されてしまうような場合,回収が困難になってしまいます。

 

そこで,訴訟をする前に,「保全」という手続を執ることによって,

相手方の財産関係を仮に確定し,相手方が財産を隠したりできないようにすることができます。

保全のなかでも,「仮差押え」という手続であり,銀行の預金口座,不動産などを「仮に」差し押さえることができる手続になります。

 

仮差押えのメリットは,あらかじめ強制執行に備えて財産を仮差押えできることから,

勝訴したときの回収がスムーズになります。

また,法律上の効果ではありませんが,仮差押えすることで,相手方が和解を申し出てくることもあります。

 

仮差押えのデメリットは,担保金が必要になることです。

債権額の2~5割の金額を法務局に供託することが仮差押えの条件となります。

このため,手元資金がない場合には,仮差押えをすることは難しくなります。

 

供託金というデメリットはありますが,

のちの強制執行を考えた場合,供託金を用意できるのであれば,仮差押えをしておくメリットは大きいといえます。

投稿者: 棚田 章弘

2016.02.20更新

相手方に裁判で勝ってお金を請求したい。

これは,裁判をやるからには当然にみなさんが考えることです。

しかしながら,実際にお金が回収できるかどうかは相手方がお金をもっているかどうかにかかわってきます。

お金を持っていない人からお金を回収するのは極めて困難です。

定職についている人であれば,給料を差し押さえることによって回収ができるかもしれませんが,

会社を辞められてしまった場合には新しい就職先を調査しなければなりません。

 

また,裕福な暮らしをしている相手方であっても,財産がどこに存在するのか知らない場合には,

やはり回収は難しいです。

 

このため,相手方の財産がどこにあるのかの事前のリサーチも裁判の前提として欠かせません。

職場はどこなのか,使っている銀行(支店)はどこなのか,不動産や有価証券は持っているのか,

このあたりの事情は調べられるのであれば,調べておきましょう。

 

裁判で勝訴の見込みがあるとしても,実際の勝訴後の回収の目途が立たないのであれば,

和解で終わらせることも十分に考えるべきでしょう。

 

 

投稿者: 棚田 章弘

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